以前、経皮吸収型製剤の代表例として禁煙希望者向けのニコチンパッチ、喘息患者用のホクナリンテープ、花粉症患者用のアレサガテープをご紹介しました。
その後、「他にもどんな経皮吸収型の薬があるのか知りたい!」という声が多くの読者からよせられたため、様々な種類の経皮吸収型製剤をシリーズとしてお届けしていきます。
第一回の今回は「アルツハイマー型認知症」です。
アルツハイマー型認知症とは
まずはアルツハイマー型認知症の症状とその原因についてみていきましょう。
症状
- 認知機能障害
新しく経験したことを覚えることができず、すぐに忘れてしまうのが特徴です。
食事をしたことや日付、今いる場所、家族の顔などがわからなくなることがその症状の進行として知られています。症状がさらに進行すると、食事をつくったり、おつりを計算することができなくなったりします。
- BPSD(行動・心理症状)
ふとしたときに、無為・無関心や妄想、徘徊、抑うつ、興奮、暴力といった症状が突発的に現れることがあります。
原因
認知症の原因は記憶をつかさどる脳の海馬の萎縮だと言われています。
βたんぱくやタウたんぱくといった異常なたんぱく質が脳に溜まることによって、脳の神経細胞が死滅してしまい、脳が萎縮。この症状が脳全体に広がることでアルツハイマー型認知症が進行するようです。
少し難しい話になるので、もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ↓
治療法
薬物療法
残念ながらアルツハイマー型認知症を完全に治す治療薬は2021年現在、存在していません。
抗認知症薬として使用されているアリセプト、レミニール、リバスタッチ、脳細胞の損傷を防ぐとされるメマリーの4種類はあくまでも低下した脳の働きを改善する(進行を遅らせる)働きがあると言われています。
上記の中でも2011年に開発されたリバスタッチ(イクセロン)パッチは経皮吸収を活用した治療薬として、初期~中期のアルツハイマー型認知症患者に使用されています。
その作用は以下の通りです。
効果・作用
脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンの分解酵素の働きを抑えることにより脳内アセチルコリン量を増加させ、神経の情報伝達を促進することで、記憶障害(物忘れ)、見当識障害(時間や場所の認識の問題)、判断ができにくくなるなどの認知症の症状進行を遅らせます。
可能性のある副作用
胸の痛み、冷汗、めまい[狭心症、心筋梗塞、徐脈、房室ブロック、洞不全症候群]
頭痛、嘔吐、突然筋肉が硬くなり体が突っ張る[脳血管発作、痙攣発作]
嘔吐、みぞおちの痛み、黒色便[食道破裂を伴う重度の嘔吐、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃腸出血]
食欲減退、からだがだるい、吐き気[肝炎]
気を失う[失神]
存在しない物が見え・聞こえる、感情や声が激しく高ぶった状態、錯覚や幻覚を伴う軽い意識障害[幻覚、激越、せん妄、錯乱]
過呼吸、意識障害、手指のふるえ[脱水]
治療法が少ない認知症の中では、貼るだけで手軽なリバスタッチ(イクセロン)パッチですが、その副作用もかなり多く注意が必要です。
経口摂取に比べ、その副作用が少ないことで知られる経皮吸収型製剤でさえもこれだけの副作用を引き起こす可能性があるなんて、かなり強い成分が含まれているんでしょうね。
非薬物療法
薬物に頼らない治療法も一定の効果があることが確認されています。
ゲームやパズル、計算ドリルなどを使用した学習療法は脳のトレーニングになり、認知機能の維持や回復に効果があるほか、料理や洗濯といった家事もリハビリテーションとして効果があるようです。
また、認知症患者の方は自分が以前よりできなくなったことでショックを受け大きなストレスを抱えてしまうこともあるそうです。認知症だからといって否定することなく、肯定的にリハビリを継続させることが一番重要だと言えるでしょう。
最後に
いかがでしたか?
今回はシリーズ第一弾として、アルツハイマー型認知症の治療薬であるリバスタッチ(イクセロン)パッチをご紹介しました。
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